■マコの傷跡■

■マコの傷跡■

chapter 10



~ chapter 10 “はじまり” ~



私は高校生になった。
相変わらずグループ行動は嫌いだったが、
色んなところから集まってくる高校では
グループ行動が嫌いな子は私以外にも結構居た。
私も回りも多少大人になって来ているようで
友達付き合いもそれなりに上手く行っていた。


ある夜中、電話の音を2階にある自分のベッドの中で聞いた。
数回鳴って音は止んだ。下で親が取ったんだろう。
“こんな遅くになんだろう・・・”
寝ぼけながらそう思った時もう1度電話が鳴る。
“よくかかってくるなぁ?”
それも数回で止んだ。そしてもう1度・・・・。

その後に続くのは父親の罵声と母親の悲鳴だった。

驚いてベッドから出て下に降りる。
「どうしたの?」
母親は泣いていた。
父親は怒っている様な困っているような顔をしていた。

父親から説明してもらったところ、こういう事だったらしい。
電話がかかってきて、1度目と2度目は父親が出たが無言電話だった。
3度目は母親が出た。母親はしばらく話してから戻って来た。
不審に思って誰だったんだと父親が聞いたら
母親は間違い電話だったと言う。
間違い電話相手にそんなに話するものかと問いただしたら
今の人と一緒になりたいから別れてくれと言い出した・・・。

要は電話の相手は母親の浮気相手だったという事だ。
それからは毎晩、夫婦喧嘩がたえなくなった。



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